申請書受付期間 2021年5月20日(木)~6月21日(月)必着
お知らせ
日本茶AWARD2021開催します!
日本茶AWARD出品者(受賞者)へのZoomインタビュー 第4回目
2020年10月28日19:00~21:00 開催
聞き手 本間(TOKY0 TEA PARTY 部長)
竹内(日本茶AWARD 東京事務局)
奥富(日本茶インストラクター協会東日本ブロック長)
●自己紹介(敬称略)
株式会社牛島製茶
福岡県八女市 牛島製茶と申します。
大正10年創業 来年(2021年)100周年を迎えます。
店舗は4つ、カタログ通販、ネット通販で小売業を中心に行なってます。
別事業として日本茶カフェ2つ運営しています。
茶畑も3ヘクタール持っていて生産段階から日本茶カフェまで。社内で6次化をてんやわんやでなんとか頑張ってます。今は100周年に向けて、今はいろいろ準備取り組んでいます。
[プラチナ賞受賞]
2017 定庵こうき(深蒸し煎茶無被覆以外)
柏木茶園
柏木と申します。神奈川県秦野市でお茶の農家をしています。
先祖代々農家をしています。お茶は祖父の代からで50年弱ほどになります。
家族だけで小さい農家ですが面積的には4ヘクタールほどになります。
日本茶インストラクターとしても活動しています。2年くらい前に乗用型摘採機を導入しまして、乗り回していますし、今日も秋整枝をしていました。
[プラチナ賞受賞]
2018 特上煎茶(普通煎茶 無被覆)
2019 特上煎茶(普通煎茶 露地)
清ざね茶園
山口です。鹿児島県曽於市にあります。曽於市は大隅半島の付け根にあり、宮崎県との県境近くです。お茶農家で面積は7ヘクタールほどです。荒茶を茶市場に出しています。昭和5年から始め、販売としては、ブランドを3年前に立ち上げて今に至ります。就農して5年目を迎えています。以前は大学卒業後東京で2年間飲食業に携わっていました。
[プラチナ賞受賞]
2019 姫椿(深蒸し煎茶 露地以外)
株式会社鈴木長十商店
静岡県森町で遠州森のお茶の製造元です。
専務として5代目になります。明治初年に創業。父とともに頑張っています。
今10年目の34歳です。
[プラチナ賞受賞]
2019 深蒸しさえみどり(深蒸し煎茶 露地以外)
品種茶専門店 心向樹
心向樹の川口と申します。
荒茶を仕入れ仕上げて販売しています。品種のお茶専門で2016年創業しました。
その前はサラリーマンをしていて、お茶の苗と品種の開発をしていました。そこから数えると、お茶に携わって13年ほどになります。
埼玉県の所沢市で営業しています。カフェもご近所の方に向けてやっています。
[プラチナ賞受賞]
2018 THE “HARUMIDORI”(普通煎茶無被覆以外)
無名’s clan ‘noodlemasterK’ (ウーミンズクラン)
コンセプトは「お茶農家だからできること、お茶農家にしかできないこと」というテーマをもとに様々な産地から集まった生産家集団です。
産地や名前は非公開です。
[プラチナ賞受賞]
2019 チャカラ 和紅茶ほうじ(ほうじ茶)
和多田 喜
2005年に表参道で茶茶の間というカフェを始めました、和多田 喜です。
日本茶インストラクターの資格も2005年にとり、お店では日本茶セミナーなどをしています。
カフェという場でお茶の消費者の方に寄り添って、日本茶の面白さなどを伝えていけたらと思いながら日々仕事をしています。
[プラチナ賞受賞]
2014 煎茶 青い鳥(香りのお茶部門)
●日本茶AWARDに出したきっかけやそのお茶のこと、周りの反応、苦労した話など。ヒカリエのイベントの印象などもお話しください。
株式会社牛島製茶
会社の転換のきっかけに出品しました。
父親が深蒸し茶をしようと考え約45年くらい前に静岡県菊川市で修行し深蒸し製法を持ち帰ってきたんですけど、深蒸し茶はその頃の八女では(時代的に)早すぎて受け入れられず、当時はお茶問屋さんに荒茶の卸を中心にしていたため、製法の変化にまったく買ってもらえなくなったんです。
ここで、この深蒸し製法の八女茶を売るために卸しメインから小売も増やすようになりました。
農家兼問屋さんへの卸販売という形から農家の面も残しつつ製造小売へと変化していったため
茶農家さんが出品する全国茶品評会からは疎遠になっていっていた中、出品できる対象が多い日本茶AWARDならばと思い、第一回大会から出品しました。
まず消費者の意見を聞けるというのが面白いと思いました。参加者から多くの意見を聞けるというのが良かったですね。初回2014年はナチュラルフレーバー部門で審査員特別賞を受賞しました。
ちょっと評価の難しいフレーバー茶に対する評価が気になり、一回目に出品したところ、いきなり賞をいただきました。
2017年は初めて深蒸し茶(無被覆以外)で挑戦しました。
お茶の外観は悪いけど、お茶の色も良く濃度があって良いお茶に出遭えたので、その年はフレーバーティーをやめて深蒸し茶を出品しました。
このお茶は今振り返ってもかなり印象的なお茶です。お茶だけ味わってすべてを満たされるような深みのあるお茶でした。
後付けではありますが、この受賞茶は、お茶というより食べ物のような印象を与えるお茶でした。
柏木茶園
インストラクターの会報誌に知らせが入ったのがきっかけでした。第3回2016年に初めて出品しました。
最初は一次審査で落選、2017年は二次審査で落選し、2018年にプラチナ賞を受賞しました。
普通煎茶の露地のお茶を生産して、小売も少ししているのでそのお茶を出品しました。
水色はあまり緑色ではない昔ながらのお茶になります。
自分は濃い目が好きです。このお茶も長く浸出してもらってしっかりとした味わいで楽しんで、もらいたいです。毎日、普通の食事時や何げない時間に、飲んでいただけるような飽きのこないホッとするようなお茶です。
清ざね茶園
2017、2018、2019と3回出しています。
ブランドを立ち上げてから、評価してもらえる品評会として日本茶AWARDに出しました。
“姫椿”という銘柄は、味わいとしてうま味と甘味に特徴があるようにブレンドして作りました。
実は今までのAWARDの結果を見て、人気のありそうな「さえみどり」を摘採日と圃場の違う3種類の「さえみどり」をブレンドして作りました。
このお茶の製造時期はこのお茶は印象が弱くて心配した部分もありました。
実際仕上げてみたら甘味も強く色も良くて内容も伴っていて自分もびっくりしました。
日本茶AWARDに出した後は、何件か取引が始まりました。
世界が変わったかなという印象があります。
株式会社鈴木長十商店
「さえみどり」が人気で毎年上位のような印象だったので「さえみどり」をブレンドして出品し、運良くとれた状況です。東京都の品評会にはある程度毎年上位に入れていたので挑戦していたんですが「やぶきた」より「さえみどり」なのかというのが日本茶AWARDの印象です。
「さえみどり」を静岡で栽培するのにあたって3年に一度当たり年があると感じ、昨年は当たり年だったような気がします。それを仕入れられたのでラッキーでした。
今年あったらいろんな部門で2、3面白いのも考えていて出したかったです。
TOKYO TEA PARTYでの印象は、受賞したお茶は静岡の「さえみどり」。濃度もあり色も綺麗なお茶でした。プレゼンテーションでは「そんなに濃くして飲むの?」と聞く人が多かった。濃い目に淹れて飲んで欲しいと思います。
品種茶専門店 心向樹
2018年HARUMIDORIでプラチナ賞。取りに行って取れました。新規創業だったので、取引先に合組仕上げの自分たちの技術をわかって欲しくて出したというのもあります。
人気のある「さえみどり」と「つゆひかり」以外で(「あさつゆ」の血の混ざってないもの)出したくて、様々なお茶を分散して出品しています。
今年は新品種でチャレンジしたかったです。
審査方法が変わるようだったので面白い気もしていました。
自分がどんなことができるのかをこの場で伝えていきたいと思っています。
(司会 本間:今までスタッフとして協力もいただきましたが、受賞者側で出て見える景色は違いますか?)
品種茶専門店 心向樹:出てみるとインストラクターのスタッフの皆さんの努力がさらによく見えました。
もっともっと双方が活躍できる場所になってもらいたいです。
無名’s clan ‘noodlemasterK’ (ウーミンズクラン)
2019年のAWARDで和紅茶ほうじを出品しました。メンバーでガスコンロでほうじ茶を作って遊んでいたのですが、その時紅茶を焙じたらびっくりするような美味しさを感じました。
それで自分たちの知識と経験などを踏まえて紅茶を作って焙じたら皆さんがどんな風に感じるのかを試したくて出品してみました。
(司会 本間:どういうものがほうじ茶に向いている紅茶だと思いましたか?)
無名’s clan ‘noodlemasterK’ (ウーミンズクラン):ほうじ茶の原料って精揉機でたたみますが、それで火が通りやすくなるから、それであえて紅茶をたたむような感じで作りました。(たたむ=平たくするという意味)
お茶の葉っぱを「ぺったんこ」にする精揉機を使って紅茶を作りました。
賞をとった後の反響としては、私たちは顔実名を非公開でやっているので、それはなんでなの?ということを聞かれたり、和紅茶ほうじっていうものにこのお茶はほうじ茶なの?紅茶なの?どんな部類に入るの?って聞かれたりの声はいただきました。
紅茶の甘味もあるけど火の香りがあったり、ウーロン茶のようだなど、一つのお茶なのにいろんな味があると皆さん驚かれていました。新しいものに出会えたという意見をいただけました。
和多田 喜
2014年の第1回に、香りのお茶部門で「青い鳥」でプラチナ賞をいただきました。
その受賞茶の「そうふう」は、6年前は市場に出回ってない状態でした。
カフェのお客様の若い方や外国の方に評判がよかったので、そこでどんな評価を受けるのか試してみたかったのもあり出品しました。
もともとお店では人気のお茶でしたし、当時は幼木で収量も少なかったので毎年秋になると売り切れるお茶でした。
今は畑も増えて年間を通じて飲めるようにはなっています。
「青い鳥」は従来の日本茶のイメージにさらにいい香りが加わったようなお茶です。
お茶らしい味わいがあるのですが、品種の特徴の爽やかな香りが引き立っています。
普段のお茶に優しさと甘い香りが加わったような印象があります。
●これから注目されるお茶なのではというお茶を紹介してください。
和多田 喜
戦後になって国内で機械製茶が整備されていきました。
そのような中で生まれてきた普通煎茶のなかでも、香りに注目してお茶をセレクトしてお店でも提供しております。
日々の接客の中で感じるのですが、香りの伸びがあるお茶が評判良く好まれます。
そういうお茶は淹れ方を選ばず、熱湯でも80度でも水出しでも美味しく楽しめます。
淹れ方を変えることで日本茶って自由に楽しめるんだということが伝えることができるお茶です。
これからも今あるお茶の楽しさを積極的にお客様にアピールしていきたいと思っております。
カフェでは温かいものだけではなく冷茶の注文も多くあります。
「日本茶は温かい飲み物だ」というイメージは、もうそれほどないようです。
若いお客様はお茶ってすごくオシャレでかっこいいもので、憧れを抱かせるオシャレなものと捕らえている気がします。
(司会 本間:メニューに関してはどうでしょうか?)
和多田 喜:広い世代のお客様にご来店いただきますが、特に当店の特徴としては30代、それより下の世代の人も多いです。
お茶とスイーツの組み合わせでメニューを用意しており、1煎だけの提供と価格を変えて煎を4回にわけて提供する2種類を用意しています。
煎を重ねるほうがご注文数が多く、お茶を淹れるという行為が評価されているのだなと感じます。
良い意味でペットボトルに慣れ親しんでいて、そこへ手間をかけたらより美味しいものが飲めるんだろうという期待感を持っていただけているのだと思います。
日本茶の未来は明るいものだと思います。
無名’s clan ‘noodlemasterK’ (ウーミンズクラン)
次注目しているのは、個人的ではあるけど、究極のワイルドフレーバーティーっていうのはどんなのかと思ってます。
どんな有名なお茶処にも放棄茶園があると思うのですが、それは綺麗に整っている畑の中にちょっとボサボサってなっているようなところなんですが。
管理されていないお茶の木でも春になると新芽がちょこちょこ出てくる。
人の手が加わっていないような、お茶の木の力だけで頑張って出てくる芽で作ったお茶ってどんななんだろうと興味があります。人の手が入るものは丁寧で良いものだと思うけど、人の手から離れて何年か経って本当にそのものの力だけで自力で出てきたものの味を知りたい、それを自分でつくってみたいです。
お茶はこういうお茶を作るっていうゴールを目指して作るのではなく、そのもの自体を尊重して作って最後に飲んでもらう人に好きかどうかを評価してもらう。
お茶本来のものを生かせるようなお茶を作りたいです。
日本茶に興味のない人にも飲んでもらいたいと思います。
品種茶専門店 心向樹
自分の専門柄、品種もの、同じ品種であっても仕上げの違い、産地の違い、製造の違いでこれだけ違ってくるというのを表現したり、やぶきたを中心とした若葉系の香りやうま味・渋みというのが今の日本茶の中心だと思うけど、もう少し香りのお茶が出ているというのを消費者に伝えたいですね。山のお茶と平場のお茶で感じ方も違う。自分もその違いを知れるのが嬉しいんです。自分の知らなかったことを知れるというのをお茶を通して体感できるのが魅力なのでその辺を狙っていきたいです。
具体的には昨年出願公表された「きよか」。これはかなり良いと思っています。「こうしゅん」や地元の「ゆめわかば」、「むさしかおり」などはお茶としての品質の高さに加え「やぶきた」と明らかに香気の違う特徴があります。今はそういうのが好きな人が多いのではないかと感じています。
お店のお客様は、大きく二つに別れます。
わざわざ品種を求めにくる方は日本茶を深掘りしていきたいタイプの方。シングルオリジン前提でお茶の面白い扉を開けるというアプローチが必要です。お茶そのものを楽しみたい人が多いんですね。
地元の方は日々のお茶を買い求めにきます。そちらには地域に愛される合組が必要です。
株式会社鈴木長十商店
お茶って堅いイメージがあります。急須で淹れるのが面倒な同世代の人も多いです。
粉末、ボトルでティーバッグにして品種の特徴を出す商品作りに注目しています。
ティーバッグは下級なイメージもありますが、だからこそ高級なもの、香りの良い浅蒸しのティーバッグを出せたらいいなと思います。また甘味の強いもの、渋みの強いものなど特徴があるものが良く、特徴の無いものは難しいのかなと感じています。深蒸し茶は特徴が出しにくく、これから浅蒸しの特徴の出しやすいお茶が生き延びていくように思いますね。
TOKYO TEA PARTYで無名’s clanさんのお茶、ファインプロダクト賞のはちみつみたいな香りのお茶があることを知ったので、そういうお茶も作ってみたいとも思います。
清ざね茶園
香りが強いお茶が注目されるのではと思っています。弊社は深蒸しの製茶ラインですので、そういった香りのお茶は出しにくい感じがあります。先日、温度を設定しながら蒸せる機械を作ることができると聞きました。蒸気の温度を低めに設定できるなら、香りの残った深蒸しを作ることができるのかなと。まだまだ先になるとは思うので、今は深蒸しらしい、うま味があってまろやかで水色のいいお茶を作って消費者に届けていきたいと思っています。
自身は普段深蒸しや、これからの時期はほうじ茶を飲みます。あとは焼酎に混ぜて飲んだりしている。前職が飲食関係なので飲食店に卸してリピートされるような、そういう楽しみ方も提案したいですね。
柏木茶園
当園は普通煎茶作っていて、設備的に他を作るのは難しいので、今後も普通煎茶を作っていきたいと考えてます。新しい設備は費用もかかり価格にも転嫁されますので、今の状態でコストを上げずにいいお茶を作っていきたいです。
今年新しい品種「かなえまる」を植えました。数年先に摘採できると思うので、それがどう消費者に、評価されるか楽しみです。
このお茶は日本茶AWARDに出してみたいから期待してほしいです。
(司会 本間:ちなみにどんな特徴のお茶なんでしょうか?心向樹 川口さん説明お願いします)
心向樹:「かなえまる」は「やぶきた」のあとを継げるような、バランスのいいものですよ。
株式会社牛島製茶
当店の工場のラインはすべて深蒸し茶製法のラインは全部深蒸し茶になります。
時代は良い物、流行も繰り返すと考えてます。
昔主流だった香りが特徴の浅蒸し茶ブームがやってきちゃうのかなと心の中で思っています。
そこは、時代のニーズは掴みながらいろいろとチャレンジしたいです。
今は、大正10年に創業者の定次郎(当日着ているTシャツにも書いてある)が作ってたお茶ってどんなお茶だろう?と色々考えお茶を探してます。
その当時は「やぶきた」は無いので在来種の浅蒸しかな、釜炒り茶かな、自然仕立てで作ったようなお茶かなとか楽しく想像を広げてます。
100周年記念初代「定次郎のお茶」を作るにあたっていつもとは違う角度からお茶を探す楽しみを持ち毎日を過ごしてます。
●これからに日本茶AWARDに期待したいことや、こうしてほしいなどの要望があればお聞かせください。
和多田 喜
せっかく渋谷でしてるのでお店も近いから絡めて何かできたらと。。。
お茶に興味を持ってる方をお祭りっぽく巻き込めたらいいな。うちでやれることもあればいいと思います!お茶って楽しい、その楽しさをもっともっと伝えられたらと思います。
無名’s clan ‘noodlemasterK’ (ウーミンズクラン)
今結構流行りのSNSでの発信をもう少しやってもらえるといいかなと思いました。
Instagramなどで若い人はテレビよりもよく見るツールなので。いろんな国の人も見る機会が増えると思うので、力のあるツールを活用してほしいです。
品種茶専門店 心向樹
今まで日本茶AWARDの最終審査(三次審査)に関わる人は日本茶に関わる人が多い気がします。
そうじゃ無い人を無作為に巻き込めるようにして、投票してもらうというような、それくらい気軽であってもいいのではないでしょうか?。インストラクターはインストラクションするのがメイン。支部と地域のお茶のタッグを組んで呈茶するのはどうでしょうか?。チーム戦のように。皆支部をあげて、総動員で地域から出たお茶を盛り上げてみたらどうだろうか。。。と思います!
株式会社鈴木長十商店
昨年初めて会場に行き審査を見ました。意向は一般対象となってるけど20種のお茶を飲み比べるのは難しすぎると思います。せいぜい5種だよねという意見が周りからも出ています。
一般の方には面白いかもしれませんが、後に飲んだお茶の方がインパクトが強いのではと思う。
また20より5にした方がプラチナ賞を取った時希少で嬉しいと思います。
SNSの他にもYouTubeなどにも取り上げてもらって、もっと若い人に知ってもらいたいし、渋谷でやっていることを活かしてほしいです。
清ざね茶園
今後は他のイベントとコラボしてイベントをする、みたいなことが良いと思います。
パッケージの淹れ方の目安は出品者に聞いてもらって記載してほしいと思いました。
柏木茶園
三次審査は、一般の方の申し込みが少ないのかなという感じがあります。
もっと一般の方に申し込んでもらった方が良いと思いますので、極端にいうと茶業界の人は参加不可にしてもいいかも。場所についてもヒカリエの上の方の階でやっているのでアクセスが悪いのではという気もします。ヒカリエにこだわらなくてもいいのかなと思います。
他の何かに便乗したり、コラボして通りすがりの人が参加するような状況を作るのもいいのかなと思います。
プラチナ賞だけアソートパック(セット)というのは、個人的には抱き合わせな気がして買いにくいのではないのかなと思っています。
あとこの場を借りて伝えたいのはスタッフの皆さまのご苦労には感謝しています!!!
今後も関わったら頑張りたいと思います!
株式会社牛島製茶
2014年の初回から去年までずっと出品してきました。
第1回目の盛り上がりの印象が強かったです。プラチナ賞を受賞した2017年の印象より初回の印象が強いです。
消費者最終の審査はたくさんのお茶を飲み比べるのはキツく、中盤戦の人が有利な気がします。
第一回大会はうまいお茶、香りのお茶、フレーバーの3部門だったからかシンプルで消費者も、わかりやすかったのでは?と思います。
2014年のうまいお茶部門などの「うまいお茶」「香りのお茶」など受賞カテゴリの文言が柔らかい感じが好きでした。
普通煎茶とか無被覆とか、専門過ぎてそういうのは一般の方にはわからないと思います。
店舗スタッフが聞いた話だと、最近、若い方が商品を見て、玉露を「たまつゆ」と煎茶を「ぜんちゃ」と読む人が出てきたと聞きました。
またそんな中で「無被覆(ムヒフク)」などわかりにくい。
一般の方を対象にするなら一般の人に伝わるような柔らかい表現にした方が良いし、回を重ねる
ごとに茶業関係者だけが理解できる品評会色が強くなっている気がします。個人的には消費者がわかりやすい柔らかい表現が良いとおもいます。
<司会 本間(日本茶インストラクター協会東日本ブロック長)>
4夜目、最終回を迎えたZoomインタビュー。
今回は生産者、日本茶カフェ経営、小売店など、様々な形態の出品者の方がご参加くださいました。
貴重なお話の中から、一部を抜粋させていただきました。
1〜4回のインタビューにご参加くださった皆様に心より感謝し、お礼申し上げます。
皆様の貴重なお話を共有させていただき、より良い日本茶AWARD 、TOKYO TEA PARTYへとつなげていきたいと思います。
読んでくださった皆様もありがとうございました。
今まで以上に、日本茶を楽しむきっかけになっていけたなら幸いです。
▶︎第1回目 日本茶AWARD出品者(受賞者)へのZoomインタビュー
日本茶AWARD出品者(受賞者)へのZoomインタビュー 第3回目
2020年10月27日 19:00 ~ 21:00 開催
聞き手:奥富(日本茶インストラクター協会東日本ブロック長)
本間(TOKYO TEA PARTY部長)
竹内(日本茶AWARD東京事務局)
●自己紹介(敬称略)
有限会社岡田商会
私は長崎でお茶屋をしております、岡田商会の岡田浩幸と申します。2017年に出品させていただいて、その時にプラチナ賞、日本茶大賞を受賞させていただきました。
[プラチナ賞受賞]
2017 蒸製玉緑茶(無被覆以外) 別煎やまぎり「味わいを感じる緑の滴」
株式会社小野原製茶問屋
私は佐賀県嬉野市で製茶問屋を営んでおります。去年(2019年)初めて出品させていただきプラチナ賞をいただきましてありがとうございました。
[プラチナ賞受賞]
2019 蒸し製玉緑茶(露地以外) うれしの茶 かぶせ さえみどり
2019 釜炒り茶 うれしの釜炒り茶 かぶせ おくみどり
土屋農園
川根と言えば一昔前は誰もが知っている産地でした。私はそんな川根のお茶農家です。
日本茶AWARDは最初の年と二年目に出品をして一年目にプラチナ賞、二年目にファインプロダクト賞をいただきました。
[プラチナ賞受賞]
2014 普通煎茶
つねき茶舗
岡山県の倉敷駅前でほうじ茶焚いて作っています。恒枝(つねき)です。つねき茶舗っていう店の名前です。
[プラチナ賞受賞]
2014 ほうじ茶
株式会社特香園
鹿児島で製茶問屋を営んでいます。毎年毎年出し続けて4度プラチナ賞をいただきました。毎年楽しみに参加させていただいております。
[プラチナ賞受賞]
2014 深蒸し茶
2015 深蒸し煎茶
2018 深蒸し煎茶(無被覆以外) 雪ふか 極2号
2019 普通煎茶(露地以外) 若わかつみ 極2号
株式会社山亜里製茶
静岡県御前崎市の株式会社山亜里製茶の増田です。2017年に地元の「つゆひかり」でプラチナ賞を受賞しました。
[プラチナ賞受賞]
2017 深蒸し煎茶(無被覆) 牧之原 つゆひかり
●受賞したそれぞれの受賞茶についてお話をお聞かせください。
株式会社山亜里製茶
「つゆひかり」は静岡県の奨励品種で、御前崎市ではいち早く2000年ごろから「つゆひかり」の栽培を行政、生産家、茶商が一つになって推進してきました。自分たちも地元の「つゆひかり」を売り出すために、かれこれ20年くらいやってきました。
「つゆひかり」という品種は「やぶきた」よりも水分を持ちたがる品種で「やぶきた」の感覚でお茶を揉んでしまうと粉々になって香りも飛んでしまいます。毎年気象条件も違う中で、皆さん試行錯誤しながら生産してくれています。浅蒸にすれば形もできて香りは良くなりますが、味は淡泊になるので、自分たちは色も良くて味もマイルドで且つ、香りもちゃんと残っている三拍子そろった「つゆひかり」を求めて、生産家さんと一緒にやってきました。深蒸しの「つゆひかり」の方がよりおいしいと思っていましたので。
株式会社特香園
問屋業として協力していただける生産家さんと毎年試行錯誤しています。うちが出品しているお茶は、数多い生産家さんから仕入れたお茶を再度コンテスト的に弊社の中で鑑定を重ねたもので作る、ということをしています。(初年度に出品したときは)弊社が販売している深蒸し茶が、どの立ち位置にいるのか検証してみようというところから始まりました。お陰様で初年度から評価をいただいて、(自分たちの)鑑定する方向性が間違ってないよね、という検証にもなりました。我々がいいと思っても一般消費者が全然評価しないようなものを作っていては危険なので。
実は2010年に私が鹿児島県の青年部の団長をしたとき、今までの品評会の在り方がより良いお茶つくりの指針とはならないでしょうと考え、「鹿児島うまい茶グランプリ」というものを主管しました。残念ながら3年ぐらいでなくなりましたが、そういう思いをずっと持ってきただけに日本茶AWARDができたということは非常に嬉しかったですね。私もすくい網*1ではなくて急須で審査する、浸出液で審査するというような形で2010年に行って。その後、日本茶AWARDもできたものですから、我々がやる必要もないかと、笑。
(竹内:背負っちゃった?笑。ちょっと背負っちゃいましたよ~。)
特香園:いえいえ、笑。
つねき茶舗
ほうじ茶を作るのは僕で3代目ですが、親から教えてもらったレシピで組んで、自分で覚えている色とか匂いとかに近づくように作ります。うちの機械はもう70年くらい使ってるんで、だいぶガタガタで、もうずっと付きっ切りで見てお気に入りの色と香りになるように持っていく、っていうことをやっています。ちょっとお客さんに話しかけられたらもう焦げたの出てくるから「わーっ、ちょーっ」とかいう感じで。まあ調子良いときもあるんですけど。
(司会 奥富:恒枝さんがプラチナ賞を取ったことで何か変化がありましたか?)
つねき茶舗:自分が親から引き継いだ後も友達とかに美味しいと言ってもらっていましたけど、これしか飲んだことなく育ってきましたから、改めて作るときに自信が付きました。これ美味しいんだなと。なんか、モチベーションが、ガっと。
土屋農園
川根は生産地でして、町の支援もしっかりしてますから、やはり全品*2を目指して取り組みを続けているんですね。全品は最高峰のものを作るというよりも、茶師としての基本を身につけなきゃっていうので続けています。ただそれと消費者の嗜好っていうのは別で、AWARDに出品することでその疑問を解消できることもあるんじゃないかなと。
最初の年に出品したお茶は、全品と同じ畑から基本に忠実に作った「やぶきた」で、火もしっかり入っていました。プラチナ賞をいただけたことで、基本としては全品も間違っていないことも確認ができました。
3年目から出品を見送ったのは、生産者が日本茶AWARDに向けたお茶を出し続けるのが難しいなって思い始めちゃったんです。農家はお茶屋さんが求めるものを供給するのが仕事ですから「土屋さんこうゆうお茶作ってくれない、それでAWARD出したいんだけれど」というパートナーみたいなお茶屋さんが出てこないかなって思っていて、生産者として出すのを見送っています。次の目標はパートナー探しかな。うちのお茶を原石に磨いて、製品にして化けさせてくれるお茶屋さんが出てきたら提供したいなと思っています。
(司会 奥富:なるほど。中止になった今年の日本茶AWARDには「渋みのお茶部門」があったんですがご存知ですか?)
土屋農園:すいません、見てないです、笑。あったんですね。
(司会 奥富:いい渋みっていうのがお茶にはあるはずだから、それを消費者の皆さんに伝えていけないかということで、まず「渋みのお茶部門」を作ろうとしたんですね。「渋みのお茶部門」いかがでしょうか?)
土屋農園:渋みはお茶の持ち味なので、渋みがゼロというのは絶対にないはずですが、定義が凄く難しい。渋みの審査はそのお茶の持ち味の渋みがきちんと出ているのかどうかみたいな見方をするんだったらありかもしれないです。後は渋いだけの勝負じゃなくって、お茶はやっぱりバランスだと思いますのでそこかな。答えになってなくて、笑
(司会 奥富:なるほど。実行委員会としてはハードルが上がった気分ですけれども、笑)
土屋農園:すみません、笑。どんどんハードル上げさせてください!笑。質問ですけど、なんで「渋みの部門」に行こうと思ったんでしょう?
(司会 奥富:これまでのAWARDのプラチナ賞の日本茶大賞を振り返った時に、被覆をした蒸し製玉緑茶と玉露しかとってないんですよね。そうゆう意味では、うま味に特化したものが注目をされているようなところがあって、お茶って多様性で考えたときにそれだけではないよね、その多様性の中で渋みっていうものがもっと評価されてもいいんじゃないかって。それを(消費者に)再評価してもらうにはどうやればいいんだろうと議論になりまして、じゃあ「渋みのお茶部門」を作ってやってみようっていう風になりました。)
株式会社小野原製茶問屋
私は去年(2019年)初めて出品しました。隣の長崎県の方は良く受賞をされてて、佐賀県の若手が結構出品してたんですが取れないということで、去年「東彼杵町と嬉野市は隣り合って市場も一緒で、同じ原材料を取り扱っているんで、もっと丁寧にやりなさい」とか言ってたら、若い人から「そんなこと言うなら自分が出してみれば」って言われて、笑。それで去年出品したんです。
今やっぱり「甘いお茶」っていうのが人気で「さえみどり」の蒸し製玉緑茶を出品してみようと。あと釜炒り茶の本道からは外れるのかなとも思ったんですけれども、被覆をした甘い感じの「おくみどり」の釜炒り茶も出品しました。幸運にもプラチナ賞を取れたんで、後輩たちから文句を言われなくて済んだんですけども、笑。
(司会 奥富:小野原さんが考える本来の釜炒り茶ってどんなお茶ですか?)
小野原製茶問屋:私がお茶を始めた三十数年前っていうと、釜炒り茶ってほんと真っ白な釜炒り茶だったんですね。白ずれ*3して、白ければ白いほどいいと言われて。その真っ白な釜炒り茶が香ばしくて美味しいお茶だったんですよ。でもその白いのが、カビが生えてるように見えると言われて。
(竹内:え!)
小野原製茶問屋:それでなるべく蒸しに近づけるような釜炒り茶が出てきて、ほんとの釜炒り茶が少なくなってきました。昔の釜炒り茶は香ばしくてもっとおいしかったな。ただどうしても消費者やお茶屋さんに選んでもらうと蒸しばっかり取られるんで、選んでもらえるようなお茶を作るには、どうしても蒸しと一緒の旨みを持ったもので、なおかつ釜炒りらしい、あっさりしてくどくない感じのものだと割と消費者の方にも選んでいただけると思います。今品種ものの釜炒り茶を研究しているというか。
有限会社岡田商会
うちは2017年に初めて出品させていただきました。その年、長崎で初めて全品が開催されて、それに合わせていろんなお茶屋さん、生産農家さんに広く呼び掛けて、長崎県内では一番の生産量を占めてる東彼杵のお茶を日本茶AWARDでももっとアピールしていこうと、うちの方も出品させていただきました。
せっかく出品するということで、特別に良いお茶だけを厳選して合組*4してみたらどういったお茶ができるのかと、何回も試飲しながらこれだったらある程度評価をいただけるんじゃないかなと言う所まで持っていって出品したら、すごい評価をいただきました。
(司会 奥富:蒸し製玉緑茶というのは精揉工程*5がありませんが、それがお茶に与える影響についてはどのように捉えてらっしゃいますか?)
岡田商会:良くお客様にも言われるのは、やっぱり開くのに時間がかかるんですね、煎茶と違って。だから二煎目、三煎目まで美味しく飲めると言っていただくことがあります。開きやすいものと開くのに時間のかかるお茶と、時間差で開いていってですね、味の変化を楽しんでいただけるんじゃないかなと。
●うま味が主役の今のお茶についてどう思われるか、そしてうま味がこれからどうなっていくと思われるかお聞かせください。
有限会社岡田商会
私も受賞をさせていただいたときには渋みを抑えて、うま味とか甘みが強いようなお茶を目指したんですけれども、渋みが全くないと美味しいとも思わないですもんね。ただ渋みの感じ方が人によってそれぞれ違うので、その評価が難しいんじゃないかなと思います。ただそういった新しい取り組みをされていろいろなお茶が評価されていくのが面白い、日本茶AWARDならではなんじゃないかと思います。
株式会社小野原製茶問屋
新茶の季節に甘くてうま味の多い「さえみどり」は、確かに新茶らしくていいんですけれども、だんだん夏を経て秋になるとそれだけだと味が薄いような感じがしてきて、私も少しずつ「やぶきた」のブレンドを増やして渋みを多くしています。渋みがあってこそ後味の口に残る「良い甘さ」っていうのが出てくるので、やっぱり甘みだけじゃなくて渋みも適度に感じさせるようなブレンドも必要になってくると思います。
(司会 奥富:いいお茶ってそうですよね。いつまでも余韻で、口がほんのり甘い。)
小野原製茶問屋:それがお茶の一番良い所かなと、ですが、改植の補助金が新しい早生品種の「さえみどり」とか「つゆひかり」だけに出されるんで「やぶきた」の更新が進んでいないっていうのが美味しい「やぶきた」が少なくなってる一つの要因かなと思います。
土屋農園
例えばお酒飲み始めたばっかりの時に渋みのあるワイン飲んでも美味しいって感じなくって、甘いワインを飲みませんでした?
(司会 竹内:飲んだ飲んだ、(例えば)ドイツの白ワイン、笑。)
ね、私なんかもそうでした。ドイツの猫が付いてるやつとかイタリアの魚の形をしたやつとか、笑。初めは甘くて美味しいんだけど、飲み続けてるともっと渋みがあるのが飲みたくなってくる。やっぱ段階があって、甘みっていうのは小さいころから「あ、甘い、美味しい」っていう風に身についてるんですけど、渋みっていうのはステップを踏んで学習していかないとその良さが分からない。けど、それが深みにつながっていくだろうなって私は思っていて。例えばAWARDで「渋みの部門」を作って、お茶にちょっと興味があるって言った人に「これ凄いんですよ」って言っても、理解してもらえるのかちょっとわからないなって思っています。段階を踏んでお茶の渋みを学習してもらって、その良さに気が付いてもらうっていう風な取組ができれば、渋みにスポットが当たっていくような感じがしています。
うま味の話だったんですよね、笑。うま味は好まれるものだと思うので、そこをスタートにしてどの方向に人が動いていくかってことなので、うま味はこの先ずっとあるし、お茶になくてはならないものなので。すいません、話がまとまらなくて、笑。
つねき茶舗
僕もお父さんに「美味しいお茶の見分け方は飲んだあとのつばが美味しい」って教えられたんですけど、やっぱり最初うま味で食いついて、次は後味くらいまではみんなついてくるんで、渋みの話はもうちょっとあとで「難しい話なんだ」って小出しにもっていかないと「自分にはちょっとわからんな」っていう話になったらいけないような気がして、敷居は下げてった方がいいんじゃないかなと思いました。僕もワイングラスに、氷だけで出した玉露を(数滴)入れて飲んで「うおっ!」て感動してますから、ああいうの誰が飲んでも美味しくてわかりやすいし、それがやっぱり入り口なような気がしました。
株式会社特香園
うま味と甘みは若干違いますよね。例えば形状のお茶でそんなに肥やしを与えてないお茶でも妙に後味に甘さを感じる一方で、直接的に全窒素*6をどんどん与えたようなお茶はパワフルにうま味が強いと感じる。そのうま味が非常に評価されているAWARDの方向性についてですけど、緑茶は緑の美しさと天然のうま味が一つの立ち位置ではあるんだろうと感じます。
ただすべてのお茶にそれを求めるわけでもなくて、例えば僕の尊敬する東京のお茶屋さんに「そりゃ確かに鹿児島の「さえみどり」も「ゆたかみどり」も美味いよ。だけど羊羹と飲んでみ?やっぱり一緒に飲むとなったらボディはいるんだよ。」と言われたことがあります。
だから食をつなぐお茶の役割は色々あっていいんだろうし、AWARDが「渋みの部門」を作るのもありだろうと思います。で、それがペアリングティーだとか、いろいろなレストランへの提案にもなりますよね。分かりやすい味の種類の提案という意味において、これは渋みがきついですけれども「切れ味の爽快な渋みが特徴です」とかね。(ペアリングとして)結びつけることも必要でしょうし、結びつける活動をすることによって消費者も育ってくると思うんですよね。
もちろん我々も渋いお茶を使ってはいるんですよ。例えば非常に甘い「さえみどり」も甘いだけだとのど越しも感じないし、サラッと入っただけで何の印象もないっていうことが起こるんですね。ですからタンニンがしっかりしたものをブレンドして、ボディをしっかりさせた上で、その上に踊る甘みというか。
株式会社山亜里製茶
うま味についてってすごい難しいなと思って聞いてたんですけども「つゆひかり」も評価されてきたとは言っても、やはり「やぶきた」の渋みがあってうま味があるバランスを言うお客さんも実際多いんです。
「お茶の味っていうのはもっとこういう味もあるんだよ」っていうのを、消費者に再認識してもらうために、こちらから発信していくことも必要かなと思います。例えば「やぶきた」の深蒸しですと付くか付かないかみたいな弱い火入れでの火香のうま味とか甘みとか、そうゆう味も消費者にわかってもらえるといいかなと思いました。
●これから日本茶AWARDに何を求めるか、どんなお茶づくりをしていきたいかなど未来についてお聞かせください。
株式会社山亜里製茶
茶業界ではAWARDも知名度が上がって浸透してきましたが、世の中的にはこれからのところもあると思います。今年コロナ禍で延期になりましたが(4月に予定されていた)CRAFT SAKE WEEK2020*7など異業種とのコラボイベント、業界の外に出ていく機会を作っていただき、いろんな人たちにお茶の良さをPRできたらなと思っています。
株式会社特香園
これだけの成果と、これだけ茶業界の中で期待されている事業ですから、実行委員会の皆さん大変だと思うんですけども、ほんとにお茶を愛してられる方々が実行委員会に入っているので、日本茶のあり方とか方向性を皆さんが真剣に悩んでやっていけば、必ずやいい方向性になると思っています。お茶は常に食に寄り添ってきたものだと思うんですね。その形を消して失わせないように、各地でやってる美味しい淹れ方や子供に対するお茶の授業も非常に大事だと思っています。まあコロナのお陰で、こういう形でしっかりと話をできるのもいい機会ですので、皆さんで考えていきましょう。ただすいません鹿児島っていうのはなかなか東京まで行っていろいろお手伝いができないので、出品するばっかりですみません、ってそこのところだけですね、笑。
つねき茶舗
日本茶大賞を取ったお茶をどっかの王様でもいいし、イギリス王室でもいいし、名のあるニューヨークのファッションショーでもいいし、なんかすごい所に提供されましたとかいうのが毎回あったりすると、皆が「すごいな、それ」って思うんじゃないかと。そんなのがあったらいいなと思っています。
土屋農園
どんどん変わっていけばいいと思っています。AWARDもせっかく東京でやるっていうことの意味を持って進化していってもらえればいいかな。審査法にしてもコンクールという形が良いかどうかっていうのも含めて、消費者に知ってもらうとか、教育とかそうゆうものに発展していけば嬉しいなと思います。静岡で世界お茶まつりをやってますけど、日本茶AWARDが世界お茶まつりみたいな進化を遂げて、一年に一回東京に行けばいろんなお茶が飲めて選べて買えてっていうような、お祭りのように東京がお茶の色になる日があってもいいのかなって思うんですね。今はコンクールでどっか閉ざされてるような感じがするので、もっと広がっていけばいいんじゃないかなって思います。
三次審査の消費者のテイスティングもうま味のあるお茶がずっと日本茶大賞だって言ってたんですけども、例えばそのお茶を毎日飲んでたら大賞になるのかって思いませんか。あの審査方法で一回だけ飲むから、そうゆうお茶がいいっていう風に選ばれるのかもしれません。で、そうなると凄い旨いお茶が上に行くんじゃなくて渋いお茶が上に行くかもしれないし、全品に出るようなお茶よりもほうじ茶が上に行くかもしれないし、嗜好品としてみたときに審査をどんな形で行い、どう評価をもらうかっていうのはまだまだ研究の余地があるんじゃないかな。
(司会 奥富:違う審査の可能性というか、お茶の違う側面をもっと引っ張り上げるような審査を取り組んでいってもらいたいということでしょうか?)
土屋農園:そうですね、例えば毎日このお茶を飲んでください審査みたいなの。朝昼晩飲んだらどうなのかとか、シチュエーションを作って飲んだらどうなのかとか、やっぱり審査法って一つじゃなくて、それこそ全品なんかと比較するとやっぱそこに行かないとAWARDの強みっていうのは(出ない)。全品の審査はこうだけれども、消費者が選ぶのはこうだよって言える審査になるのには、まだまだいろんな可能性を探ってもいいんじゃないかなと思います。
株式会社小野原製茶問屋
いろんな審査方法を試行錯誤して、いろんなお茶が選ばれるようなAWARDにしていってもらいたいと思います。今後のお茶については、毎日あまり意識せずに飲むようなお茶も変わらず普及させていかなければいけないですし、今は産地や品種や茶種などの情報もたくさん出てきまして、自分で選んでこだわった飲み方をされる消費者に対してのアプローチも積極的に取っていって、高品質なある程度高いお茶を飲んでいただくような方もだんだん増やしていかないと、とは思っております。
有限会社岡田商会
日本茶AWARDっていうのは皆さんが期待している大会でもあるので、消費者の方々をいっぱい巻き込んで茶業界が盛り上がるように発展していけばいいかなと思っています。今の三次審査の仕方では、やっぱりうま味が強いお茶が印象に残りやすいのかなって思うんですよね。(出品者の)皆さんがそれを目指してお茶つくりをされて、みんなが同じような出品になっていくっていうのも、やっぱり面白くないかな。渋みの話もでましたけども、単体で飲んだら渋いだけかもしれないけど他のものと一緒に飲んだら「あ、こっちの方が絶対美味しいよね」っていうペアリングもあるかもしれないですし。今の三次審査をじゃあどう変えるかというのは思いつかないんですけれども、いろんなお茶が評価されるような可能性を秘めた大会になっていけばもっといいのかなと思います。
<司会 奥富(日本茶インストラクター協会東日本ブロック長)>
今回のお話では日本茶の多様性というのが大きなキーワードだったと思います。うま味っていうものを考えるとやっぱり渋みっていうものも大事だよねというお話から、また日本茶AWARDに様々なお茶が集まってくるような予感を感じました。これからの日本茶、もっともっと楽しくなっていきそうですね。本日は長時間にわたりありがとうございました。
*1 すくい網…茶を鑑定や審査する際に使う網のこと
*2 全品…全国茶品評会
*3 白ずれ…何度も釜で擦ることで茶の表面に細かな傷がつき、茶が白く見えるようになること
*4 合組…茶をブレンドすること。
*5 精揉工程…茶の製造工程の一つで、針の様な形を作る工程のこと
*6 全窒素…茶に与える肥料成分のうち、うま味に直接的に関係する窒素成分の総量のこと
*7 CRAFT SAKE WEEK2020…中田英寿氏がプロデュースする日本酒イベント https://craftsakeweek.com
▶︎第1回目 日本茶AWARD出品者(受賞者)へのZoomインタビュー
オンライントークショー開催のお知らせ
日本茶AWARD 並びにTOKYO TEA PARTY 2021へ向けて
オンライントークショーを開催いたします。
11月29日(日)15:00~16:00
Instagram nihonchaaward より配信
テーマ
「茶の未来と本の未来」〜様々な視点から探る〜
ゲスト 森岡督行(森岡書店 店主)さん
聞き手 高宇政光(日本茶AWARD 発起メンバー / 茶の思月園 店主)
銀座にあるレトロビル(鈴木ビル)の一角で1週間に1冊の特別な本を紹介する
今多方面から注目される書店店主の森岡督行さんと
日本茶AWARD設立に奔走した、日本茶店 店主であり日本茶界のトップランナーの
高宇政光が、本と日本茶の共通点を通してこれからの本と日本茶について繰り広げる
おしゃべり。
これから自分たちに必要な何かをたくさん散りばめた1時間を、
どうかお楽しみください。
森岡督行氏 プロフィール
1974年生まれ。著書に『荒野の古本屋』(晶文社)などがある。出展・企画協力した展覧会に『そばにいる工芸』(資生堂ギャラリー)、『雑貨展』(21_21 DESIGN SIGHT)などがある。資生堂『花椿』オンラインにて「現代銀座考」を連載中。森岡書店のコンセプトとデザインに対してレッド・ドット・デザイン賞(ドイツ)、iFデザイン賞(ドイツ)、D&AD・Wood Pencil賞(イギリス)、グッドデザイン・ベスト100(日本)を受賞した。
高宇政光 プロフィール
1949年生まれ。東京都北区赤羽にある日本茶店 思月園 3代目店主
日本茶インストラクターの立ち上げに関わり、6年前に発足した日本茶AWARDの立ち上げにも奔走。現在は番茶の研究や日本茶を通してみた日本の近代史を執筆中。
お茶と本とおしゃべりが大好き。
著書 「僕は日本茶のソムリエ」「お茶は界をかけめぐる」「日本茶ソムリエの日本茶教室」(いずれも筑摩書房)
視聴方法
1:Instagram をインストールして、nihonnchaaward のアカウントをフォローしてください。
2:時間内にトップ画面にて「live」の表示をクリックしていただけましたら、その時間どなたでもご覧いただくことができます。画像はアーカイブで残す予定です。
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